大会の開催にあたり、執行委員会を代表してご挨拶を申し上げます。
　 この２年間を振り返ると、まず働く者や生活者、勤労国民に取って取り巻く環境の悪化が更に進んだ２年間であったと言えます。そして、それは「格差問題」に集約されます。非正規雇用労働者の増加の流れは止まらず、雇用形態の違いが所得の格差へと連鎖し、更に生活上・人生上の様々な格差や子ども達の将来の希望に対する格差にまで波及しております。
　 また、格差は個人のレベルに留まらず、私たちの働く場である企業規模間での格差、そして生活する場での都市と地方の格差など、各分野でその矛盾が広がり格差の是正が喫緊の課題でありました。
　 連合千葉は連合本部とともに、昨年秋から春季生活闘争にかけて、この「格差拡大」に歯止めをかけるための取り組みに全力を尽くしてきました。
地域協議会の皆さんの協力をえて春闘期間中に「格差是正キャンペーン」を県内各地で展開し広く県民世論へ訴えたことは多くの県民の共感を引き出し、統一地方選挙や参議院選挙に大きな影響を与えたものと確信しております。
　 以上のような情況下で特に本年は統一地方選挙と参議院選挙というふたつの重要な選挙を闘いました。格差そして増税で疲弊した勤労者の生活を守り立て直すための反転攻勢をめざしての取り組みでした。それぞれの選挙において成果をあげることができました。取り組みに対し心から感謝申し上げます。
　 統一地方選挙、特に県議選では「自民党が圧倒的多数の保守基盤を崩す」「民主党の地域基盤の確立を支援する」というふたつの目標を設定しましたが、その観点から見れば、成果は道半ばです。今回当選した議員の皆さんの４年間の活動により、県民から民主党の県議は頼りになると評価されることとなるよう応援・叱咤激励して参りたいと思います。また、次回はより多くの組織内候補者の擁立ができるよう各構成組織にはお願いしたいと思います。
　 参議院選挙では念願の参議院での民主党第一党と与野党逆転が実現しました。連合千葉は加賀谷氏を責任を受け持って取り組み民主党の２名当選に寄与できました。比例区での各組織内候補者の健闘と合わせて、連合千葉は是非この成果に自信を持って今後の取り組みにあたって参りたいと思います。
　 さて、今後２年間の運動について申し上げます。格差は解消されていません。しかし、選挙を控えて本年に入ってから前安倍政権も格差問題を無視できなくなり、「再チャレンジ」や「成長力底上げ」という方針を掲げ、格差是正の方向に政府も社会も動かざるをえないところに今日来ているということを今後２年間の連合運動の出発点にしたいと思います。
　 その上で、私からは運動の力点や主な課題について触れたいと思います。
　 まず運動の力点ですが、これは先の連合本部の大会で確認されたことでもありますが、(1)非正規労働者や中小零細企業で働く労働者への支援や組織化の推進を最優先で取り組む、(2)社会の不条理に対抗していく姿勢を鮮明にする(3)「地域に根ざした顔の見える運動」をさらに前進させ、地域で信頼され頼りがいある運動を構築する。と言うものです。今後２年間の私たち連合千葉の運動を進めるにあたっても、この３点を絶えず心にとめて取り組んでいくこととします。
　 以下、具体的な課題について触れます。連合として最優先に取り組むべき課題は非正規・中小問題と組織拡大です。本部は先の大会でパートや派遣、契約などで働く労働者を支援するために「非正規労働センター」の設置を決定しすでに活動をスタートさせました。連合千葉がこれまで続けてきた労働相談や中小組合支援の諸活動を有機的に結合し、連合千葉全体の活動を当面この非正規・中小問題の前進や組織拡大の成果に結びつけていくことが重要です。構成組織との連携を強化して取り組みを進めていきたいと思います。
　 また、この課題の前進には地域協議会の協力が、そしてそのための活動強化が欠かせません。地域協議会の再編とモデル地協の設定をして１年が経過しようとしています。モデル事業は３年という期間を設定しております。今後の２年間が正念場であります。地域協議会の一層の取り組みを要請します。
　 格差是正、非正規・中小課題の前進は言うまでもなく、勤労者すべての労働環境向上のためにも労働法制の整備が欠かせません。本年の通常国会では多くの労働法制が課題となりましたが、一方それと平行して政府の審議会の一部からは「労働ビックバン」と称しての労働分野の規制緩和が主張されるなど、市場万能主義に基づく働かせる側に都合のいい法改正が目論まれています。これらの課題は連合全体の取り組みになりますが、派遣や最賃、均等待遇、長時間労働、安全衛生など働き方の根幹に関わる課題前進に奮闘したいと思います。
　 最後になりますが、今後２年間に総選挙そして千葉県知事選挙が間違いなく行われます。総選挙は、政権獲得への千載一遇のチャンスです。総選挙に向けた応援体制を明日から作っていこうではありませんか。
　 知事選挙については前回の選挙の際に申し上げましたように「時計の針を元には戻さない」ことを基本に、県議選での民主党の前進や参議院選挙での民主党２名の当選という情況を踏まえつつ、広く各界各層県民との連携がはかれる立場で今後積極的に対応していきます。
　 連合千葉は次期大会で結成２０年を迎えます。大会での活発な発言で方針の補強をいただき、今後２年間構成組織、地域協議会の皆さんと決定した運動方針を全力で実践し、すべての勤労者・県民から頼りにされる連合千葉を作り結成２０年を迎えたいと思います。このことを申し上げ挨拶とします。