昨年は、連合にとって政権与党を応援して活動するという結成以来、初めての経験の1年でした。それは、「要求」を掲げるだけではなく、その「実現」を目指す、図らなくてはならないという重い責任を感じると同時に、またこの時期を除いて私たちが求める政策を何時実現できるのかという思いを強くするものでした。
1年を経過し、民主党政権には様々な評価が下されています。参議院選挙の結果は国民の厳しい評価とも言えるでしょう。しかし、振り返ってみれば、あの小泉改革以来毎年2,200億円カットされてきた社会保障費削減に歯止めがかかり、格差や貧困の克服に関しては、この4月から250万人の非正規労働者への雇用保険適用がなされましたし、最低賃金も政労使で「早急に800円、1000円をめざす」方向の合意もされました。また、本年度の予算が福祉や教育へとシフトされたのは間違いない事実です。
政権交代の意義はけっして失われてはいません。政策実現の本丸である、年金をはじめとした社会保障制度改革や税・財制改革など働く者が納得し安心できる制度改革を今後実現するために、言うべきことはしっかりと言いながら民主党とは引き続き連携を密にし、政策実現に邁進して行きたいと思います。
このような状況の下、連合千葉は「すべての働く者の連帯で希望と安心の社会を築こう!」をスローガンに第11期後半の取り組みを以下の3点を重視して進めます。
第一は、「労働組合を社会のインフラに」と言うことです。今日増大している個別的労使紛争と集団的労使紛争の解決とが決定的に違うのは、集団的な労使関係は労使紛争が起きても、必ずその経過が教訓として残り、将来の労使関係の安定に寄与するということです。社会の安定と発展にとって不可欠なもの、インフラとしての労働組合を社会全体に広く認識してもらうこと、そして集団的労使関係を再構築していくことは、連合がめざす「労働を中心とした福祉型社会」「公平・公正で安心な社会」を実現するためには是非とも必要なことです。組織拡大・組合作りに取り組むことはもちろんのこと、組合の存在意義や役割をこの1年社会に訴え続けて行きたいと思います。
二つ目は地協再編成の完遂と新地協の発足です。連合は「地域に根ざした顔の見える運動」と「すべての働く者の拠り所となる組織」を掲げ、2005年以降従来の18地協体制から11地協体制に再編し今日まで活動を進めて参りました。
千葉では来年10月の第13回定期大会で完遂させることを昨年の大会で決定し、以降新地協への移行に向けて条件ごとに3つの委員会を設置し様々な角度から検証を重ねて貰っておりますが、構成組織と一丸となって、その目指すところ・目的やそのために必要なそれぞれの役割などの共有化をはかり新地協の発足に臨むことが必要であると思われます。
この1年皆さんが新地協発足に向け一緒に汗をかいて貰えるようお願いする次第です。
3つ目は統一地方選挙についてです。この選挙では地域の政治勢力・政治地図を変えるために民主党がこれまで以上に候補者を多数擁立する選挙となることが予想されます。私たちも民主党の地方基盤形成に寄与することにやぶさかではありません。しかし、あくまでも連合千葉の主体性を堅持して対応します。その上で、県議選については組織内候補者8名の当選を最優先にしながら、民主党との連携によりまず複数定数区で取りこぼすことなく、推薦候補者30人以上の当選をめざします。また、政令市の千葉はもちろんのこと各市議選では、先ほど述べたとおり民主党の大量立候補が考えられますが、これまた組織内候補者当選を最優先に、地域の組織状況や政治状況、候補者の人物評価など総合的に判断し現実的対応をして参ります。
これらの課題を中心にこの1年全力で取り組むことをお誓いし挨拶とします。 |