新年明けましておめでとうございます。
政権交代2度目の新年は残念ながら晴れやかに迎えられたとは言えません。それは民主党の政権運営が必ずしも勤労者や国民の期待に添うものになっているとは言い難いからです。本年こそ国民の期待に応えるよう民主党の皆さんの奮起を求めたいと思います。
現時点では、いわば逆風の中で4月に統一地方選挙が行われます。連合千葉は本日までに、県議選では組織内8人を含む28人を、市議町議選挙では6月の市原を入れ、組織内15人を含む50名を推薦しましたが、本選挙は風で当選できる選挙でないのは明らかです。予定候補者本人の地道な努力・取り組みは当然のこと、政党も労働組合も力量が問われます。この3か月、4か月死にものぐるいで頑張りましょう。
さて、連合は、今から10年前の2001年「21世紀連合ビジョン」を決定し、そこで「労働を中心とした福祉型社会」を掲げました。そして結成20年を機にその考えをさらに深化させ、「働くことを軸とする安心社会」に変更することにしました。以降、連合はこの「働くことを軸とする安心社会を実現する」を旗印に活動を展開することになります。
「労働」を「働くこと」と言い換えたのは、雇用労働はもちろんのことNPOや社会的企業、ボランタリーな介護や子育て支援、さらには家事労働などで社会が働くことで広く繋がっていること表すためです。また「安心社会」とは、安定した良質な雇用が保障され、病気・失業・子育て・老後など、人生の全ての段階におけるあらゆるリスクに対応できる制度、セーフティネットが確立され、人と人との良好な絆が培われている社会です。
連合は、これまで格差是正や貧困の克服などをめざして社会的なキャンペーンを展開し、また労働相談などの取り組みを続けてきましたが、この考えを組合員へはもとより広く各界・各層へ訴え理解を得て、めざすべき社会の実現に近づけていきたいと思います。
合わせて、「労働組合を社会のインフラに」と言うことを訴えたいと思います。
パートや派遣など非正規雇用労働が全労働者の3分の1を越え、また日本の90%以上が中小・零細企業という現実の中で労働組合に組織された労働者は20%を切り、また雇用情勢が厳しいことから個人の労働紛争が増加していることは連合千葉の労働相談からも明らかです。個別の労働紛争解決のための機関も増えましたが、集団的労使関係の場合と違うのは、問題が解決しても将来の労使関係の教訓に全くならないということです。
また、戦後日本の経済を発展させた生産性運動の3原則のひとつは「労使協議」であり、
労使関係を安定させ、生産性を向上させる上で労働組合が果たしてきた役割には大きなものがあります。社会が混迷している今こそ、企業のみならず社会の安定と発展にとって労働組合は不可欠なものであるという認識を広く社会に定着させていくことが必要です。
それには、今組合があるところがそのことを訴えなくてはなりません。労働組合だけでなく、パートナーの企業からも「労働組合は社会のインフラ、安定のパートナー」というメッセージを是非発信していただきたいと思います。
本年も多くの課題を抱えた1年となりますが、連合千葉は直近の2011春季生活闘争を始め、ひとつひとつの課題を着実に実践していくことをお誓いし、年頭の挨拶とします。
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