県内各地より本定期大会への参加に感謝し、連合千葉役員を代表して挨拶を申し上げます。まずは常日頃より連合千葉ならびに各地域協議会の諸活動に対し、構成組織・地域協議会をはじめ、関係団体の皆さまのご理解・ご協力に厚く御礼を申し上げます。
また、本定期大会開催にあたり、来賓として関係各方面から多くの皆様に出席いただいています。後ほどご挨拶をいただきますが、千葉県より滝川副知事、千葉市の熊谷市長、千葉労働局からは友藤労働局長、千葉県経営者協会小島会長、政党関係では立憲民主党から河野県連副代表、国民民主党奥野県連代表、社民党小宮県連合代表、連合千葉議員団会議天野会長、そして各福祉団体代表の皆様、喜田顧問弁護士、連合千葉顧問の皆様、千葉県退職者連合石田会長にご出席いただいています。心から感謝申し上げます。
さて、連合千葉は、衆議院議員選挙の真っただ中の一昨年10月20日に第16回定期大会を開催し、第15期体制をスタートさせました。この2年間は、我々働く者に関する事柄や労働組合、あるいは組織といった点での大きな出来事が多く発生したところであり、まずはその点を振り返りながら、我々が取り組むべき課題といった点を述べさせていただきたいと思います。
1点目は、自然災害への対応という点です。この2年間は、冬の豪雪、夏の猛暑をはじめ、様々な箇所での大規模地震、記録的な大雨となった集中豪雨、大規模台風の直撃等々、全国各地に死者を出す大規模な自然災害が多く発生しました。 とりわけ直近では、9月9日未明に我々の千葉県に大きな被害をもたらした台風15号、その復旧に向けた対応の最中の10月12日には、記録的な雨量により関東・東北地方一帯を台風19号が襲い、80名以上の犠牲者を出し、今なお、復旧のめどさえ立っていないほどの甚大な被害となっています。改めて亡くなられた方々にお悔やみを申し上げるとともに、被災された方々に対してお見舞いを申し上げます。1日も早い復旧、元の生活に戻られることを祈る次第です(10月25日の台風21号の豪雨による災害は、この日の午後でした)。
一方では、災害発生直後から復旧に向けて寝る間もなく懸命な努力をしている電力関係者、ならびに各自治体関係者、通信関係者等の尽力に対し、心から敬意を表します。こうした復旧に向けて懸命に働いている人たちがいることを同じ働く仲間としてお互いに認識しあいたいと思います。 連合千葉としては、台風15号の災害に対して、9月20日に三役をメンバーとする緊急災害対策本部を立ち上げ、対応を検討してきたところであり、その後の19号への対応を合わせて検討していくこととしています。対応の詳細は時間の関係上この場では控えさせていただきますが、台風15号の被害はその多くが強風によるものであることや千葉県が被災地となったことなど、これまでとは違った環境にあることを含め難しさを感じているところです。この問題は19号の問題を含め現在も対応過程であり、引き続き皆様のご理解とご協力をお願いいたします。 加えて、今回千葉県が被災地となったことで、改めて被災地となった場合の対応について検討が必要であることを痛感しています。これまで千葉県においては、大きな災害が発生していなかったこともあり、ボランティア派遣や義援金カンパといったいわば支援側としての対応をしてきました。いまだ復旧過程ですが、今回の災害を教訓に千葉県内において、被災した場合に連合としてどう対応すべきか、対応できるのか、そのような点について、前段から各自治体と連携しておく必要があると考えています。昨年の全国いたるところでの自然災害の発生を受け、連合関東ブロックとして、今年2月、昨年の大阪北部地震の際に受け入れを行った連合大阪にヒアリングをしてきたところであり、これから具体的な対応を検討しようとした矢先の今回の災害でした。連合千葉として、今後具体的な対応を検討していきますが、各産別・地協でも災害対策・助け合いといった点で議論を深めていただきたく思います。
2点目は、働き方改革についてです。昨年の通常国会において、働き方改革関連法が成立し、今年の4月から順次施行されています。罰則付き残業時間の上限規制や年5日の年休取得の義務化、勤務間インターバル制度等、施行している制度については、その趣旨を活かすために労働組合としてのチェック機能を的確に発揮していかなければなりません。
また、中小企業は来年4月から施行されるところであり、加えて自動車運転業や建設業など5年間の猶予期間が設けられている産業もあります。これら企業や産業の多くは残業が前提の業務、いわば長時間労働が常態化していると言え、仕事のあり方を見直すなど、根本的な改善が求められます。労使が知恵を出し合い、真の意味での長時間労働の是正につなげていくことが重要だと考えます。
一方で働く者や生活者といった視点で考えなければならないこととして、長時間労働が常態化している要因の1つとして、過剰なサービスもあると強く感じています。宅配事業をはじめスーパー・コンビニといった小売業など、消費者・生活者のニーズがあるとはいえ、24時間、365日のサービスが当然といった感覚の社会の中で、その業界で働いている人の過大な負荷になっていることも事実です。サービスの後ろでは、同じ働く人がいるといった意識を持ちながら、こうした過剰なサービスを減少させていく運動も必要であると強く感じています。 さらに雇用形態に関わらない公正な待遇、いわゆる同一労働同一賃金の施行も来年4月です。パート・有期雇用といった形態で働く人と正規社員との不合理な待遇差をなくすというものですが、この不合理な部分についてもしっかりと労働組合のチェックをしていくことが重要となります。
こうした一連の働き方改革には、要所に労使協議での決定が盛り込まれています。労働組合がある場合は、既存の労使交渉で決定するものですが、労働組合のない事業所においては、労働者代表制・過半数代表制に基づき選出した代表との話し合うこととなっています。問題は、使用者の意向により代表者が選出されるなど、真の労働者代表制となっていない場合が多いと指摘されていることです。今回の働き方改革を含め、労働関係法制が真の意味で、全ての働く人のためになるようにするには、集団的労使関係の確立と拡大が不可欠であることを広く社会に訴えていくことが重要であることを改めて皆さんと確認しあいたいと思います。連合千葉としても、組織拡大の必要性・重要性を含めて、こうした運動を一層強力に展開していく決意であることを申し上げさせていただきます。
3点目は、政治についてです。今年は統一地方選と参議院選が同じ年に執行される12年に1度の年でした。統一地方選については、6月の市原市議選までを含めて、連合千葉として57名の推薦を行い、推薦候補者全員の当選を果たすことはできませんでしたが、49名の当選を勝ち取ることができました。
また、参議院議員選挙は、比例区で10名の組織内候補者を擁立し、全員の当選を目指しましたが、立憲民主党で5名、国民民主党で3名の当選、そして千葉県選挙区では長浜博行氏の3選を果たすことができました。この間の各構成組織・地域協議会、職場組合員・家族の皆様のご理解とご協力に感謝を申し上げます。 我々が政治活動を取り組む目的は、勤労者・生活者政策の実現であり、それに向けた当選した議員との連携・活用について、構成組織・地協の特段のご理解とご尽力をお願いいたします。
一方で、今回の一連の選挙で大きな課題となったのは、投票率の低下です。統一地方選においては、都市部で軒並み30%台と、多くの自治体で過去最低の投票率を記録し、参議院選では、45%と半数以上の有権者が投票に行きませんでした。なぜ投票に行かないのか、過去のアンケートでは「政党・候補者の違いがわからない」「政治に関心がない」「仕事があった」「投票しても何も変わらない」といった内容が上位を占めています。
それぞれの構成組織においては、組合員・家族に対して投票促進の活動を転換しており、一定の結果につながっていると考えますが、未組織の人たちは、何をもとに投票するのかといった情報がない、もしくは限られているという状態にあり、そのことが投票棄権につながっているとも考えられます。こうした状況を変えるには、政治は生活に直結する身近なものであること、政治は誰のためにあるのか、誰のための政治を求めるのか、といった根本的なことを、地道に、愚直に社会に訴えていかなければならないと考えています。
一方で、政党に対しては、こうした国民の声を受け止め、現状の社会に疑問を持っている人たちの思いを受け止める政党の体制を整えていくことが求められていると感じています。我々連合は、二大政党的政治体制を強く求めています。そういう点において、この臨時国会における共同会派を一つのスタート点としてさらなる進化を期待したいと思います。
いずれにしても、まずは大網白里市議選、我孫子市議選という直近の中間地方選挙での推薦候補者の必勝、同時に投票率向上に向けた取り組みを構成組織・各地協にお願いします。さらに次の国政選挙は衆議院選であり、県内各選挙区において、連合千葉として一体となって取り組める体制の整備を各構成組織との連携のもとに確立していくことが重要であり、あわせてそのことを踏まえた各政党の対応をお願いしていきたいと思います。そのために連合千葉に求められることがあるならば、積極的に対応していきたいと考えます。
4点目は、今年の11月で連合結成30年を迎えるということです。
連合本部は、この30年を契機に、2035年の社会を見据えながら、「持続可能性」「包摂」を運動の土台とする新たな連合ビジョンを策定しました。これまでのビジョンである「働くことを軸とする安心社会」をさらに深化させるべく「働くことを軸とする安心社会-まもる・つなぐ・創り出す」をフレーズとするものです。その実現に向けた具体的な方針として、これまでの7つの運動領域を多面的に組み替え、3つの重点分野と4つの推進分野として再構築し、今後5年間、人的・財政的な運動資源を集中するというものであり、5年ごとに重点分野の見直しをしていくとしています。また、これに伴い、本部の業務分担・事務局体制の見直しも行われています。
一方で、連合千葉としても、結成以降の30年を振り返りつつ、これからの時代に相応しい運動の構築に向けて、「組織・財政特別委員会」を設置し、検討をしてきたところであり、本大会において中間報告をすることとしています。まだ検討過程であり、本報告をもとにそれぞれの委員会等での議論を経て、できることから順次実行していく予定ですが、先に述べた連合本部の推進体制の見直しを含めた状況を見極める必要です。したがって、連合本部と地方連合の運動推進のあり方や業務分担の見直し等について、事務局体制の見直しを含め、状況を見極めたうえで必要に応じて変更していくことを考えています。
いずれにしても、今回の見直しについては、これまで積み上げてきた運動を大切にしながら、今の時代に相応しい運動、これからを展望した運動を構築していくという考え方は全く同じであり、そのための議論であることをご理解いただくと同時に各組織の積極的な参画をお願いします。
その他にも、連合として、労働組合として、様々な課題が山積していますが、時間の関係上、この場では控えされていただくことをご容赦いただくと同時に、活動方針の議論で積極的な発言をお願いします。
最後に、本日の議案に対する積極的な参画、そして引き続き各構成組織、地域協議会の連合千葉へのご支援・ご協力をお願いし、挨拶とさせていただきます。 |