連合千葉

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会長挨拶・談話

2019/11/30 連合千葉結成30周年記念レセプション 会長挨拶

 連合千葉結成30周年記念レセプションに公私とも大変お忙しい中を、このように多くの皆様方に出席をいただき心から御礼を申し上げます。併せて常日頃から、連合千葉へのご指導・ご鞭撻をいただき合わせて感謝を申し上げます。
 本日はご来賓として、連合本部より逢見会長代行、千葉県からは滝川副知事、千葉労働局から石川総務部長、千葉県経営者協会から小島会長、千葉市の熊谷市長をはじめ推薦首長の皆様、各政党県連代表の皆様をはじめ、県内選出の国会議員、推薦議員の皆様、福祉団体代表者並びに関係者の皆様に出席をいただいています。そして歴代会長をはじめ歴代役員の皆様、現役の三役・執行委員、構成組織役員の皆様と総勢300名あまりのレセプションを開催することが出来ました。ご出席に心から感謝を申し上げます。なお、本レセプションには、まだまだ多くの関係者の皆様にご出席いただきたいと思っていたが、会場の関係で、制約せざるを得なかったことをご容赦いただき、併せて関係者の皆様にはその旨お伝えいただければ幸いです。

 さて、連合千葉は、連合千葉県準備会、民間組合による連合千葉を経て、1989年(平成元年)11月28日に、官民統一の47組織18万人で結成されました。統一大会は、「平和 幸せ 道開く」の大会スローガンのもと、代議員・来賓を合わせて230名で開催されたと記録されています。そして今月28日で満30年を迎えました。この間、連合千葉の運動発展のために尽力された歴代役員の皆様をはじめ関係者の皆様のご尽力・ご努力、そして叱咤激励に改めて敬意と感謝を申し上げます。
 連合本部の結成が11月21日であることから、連合千葉の結成は本部の結成大会から1週間後という全国の中でも早い部類の結成と言えます。当時の回顧録によれば、民間連合がベースにあったこと、加えて官公労の皆さんの献身的な協力があってこその結成であったとされており、比較的スムーズな結成であったとされています。とは言いながらもイデオロギーの問題をはじめ様々な苦労があったことも示されており、結成に関わった関係者のご苦労に改めて敬意を表する次第です。

 ここで30年を詳細に振り返ることができれば、皆さん方の思い出もまた鮮明になるところですが、時間の関係もあり簡単に振り返ることとします。連合が結成された1989年は、世界的にはベルリンの壁が崩壊、東西冷戦が終結した年であり、新たな世界秩序のもとに平和な世界が生まれるものと期待されていました。しかしながら、今日でも世界の至る所で紛争やテロ活動が頻発しており、そして生活者や子供まで被害が及んでいます。
 綱領に「世界平和の達成」を掲げる連合としては、改めて世界平和に向けた努力が必要と感じています。

 一方、わが国では、1989年は元号が昭和から平成に代わり、4月には消費税3%が初めて導入された年です。経済的にみると、当時はバブル経済の真っただ中にあり、日経平均株価も3万9000円近くの史上最高値を記録するなど、世の中も好景気に浮かれた時期でした。
 しかし、バブル経済崩壊後は、金融機関の破綻や再編による金融不安、長きにわたりデフレ経済からの脱却ができず、「失われた10年・20年」といわれるような状況が続くことになってしまいました。その後、中国経済をはじめとする新興国の経済発展により、輸出を中心に企業業績が回復し、生活者としての実感がない中でも緩やかな回復基調を続けています。
 この30年の経済的なもう一つの特徴は、IT技術の進展によって、経済のグローバル化が大きく進んだことがあげられます。世界の至る所の出来事が、瞬く間に全世界に広がり、直接・間接的にその影響を受ける体系となりました。2008年のリーマンショックがその代表的な出来事であったわけです。
 こうした経済環境の下で、我々連合の春季生活闘争は、結成当初であるバブル経済時には、定昇込み7%や高い時で9%、額表示では15,000円中心という状況でしたが、失われた20年といわれる間は、「賃金カーブ維持分を確保したうえで」といった極めて自制的な要求を長らく取らざるを得ませんでした。そして2014年以降は、経済の回復基調のもとに、デフレ経済からの脱却、内需拡大に向けて、「底上げ・底支え・格差是正」を旗印に、4%の賃上げを掲げ、一定の成果を上げてきています。2020春季生活闘争においても、同様の取り組みが示されていますが、いかにして働く人すべてに波及をさせていくかが大きな課題といえます。

 この30年のもう一つの特徴は自然災害への対応にあると思います。平成は自然災害の時代といわれるほどに自然災害が多発しました。多くの犠牲者を出した災害だけでも、1990年の雲仙普賢岳の噴火、93年の北海道南西沖地震、95年の阪神淡路大震災、2004年の新潟県中越地震、そして2011年の東日本大震災では、18,000人を超える死者・行方不明者がでるという戦後最悪の自然災害となりました。その後も2014年の御岳山の噴火、2016年の熊本地震と発生しており、さらに近年では、夏の猛暑・冬の豪雪、そして集中豪雨や大型台風の上陸等々、毎年のように全国各地で大規模な被害が発生しています。
 この千葉県においては、これまで自然災害の被害は少なかったですが、今年は9月9日の台風15号、10月12日の台風19号、10月25日の台風21号関連の豪雨と立て続けに台風被害が発生し、この一連の台風により、構成組織の組合員を含む10名以上の方が亡くなり、今なお不自由な生活を強いられている方もいます。亡くなられた方のご冥福をお祈りするとともに、被害にあわれた方々に心よりお見舞いを申し上げます。
 労働組合の原点は助け合いです。連合千葉は、これまでも各地で発生した災害に対し、義援金をはじめとする支援カンパ、あるいはボランティアの派遣といった支援を行ってきました。しかし、いつどこでも災害が発生しかねない状況からは、今回の被災を大きな教訓として、さらに実効ある対応について検討することが急務と考えます。

 もう一つは政治活動についてです。連合は、勤労者政策の実現のために結成したといっても過言ではありません。そうした観点からは、1993年の細川連立内閣の発足は、55年体制の崩壊、連立体制での政権という今日の政治の起点になっていると思います。その後、新進党の結党、解散、自社さ連立の村山内閣では、我々連合の支援政党が与野党に分かれるという難しいかじ取りを強いられた時期を経て、民主党の結党と野党の合流、そして2009年の衆議院選の民主党大勝により、民主党政権が発足したわけです。民主党政権では、連合の政策が多く取り入れられてところであり、政権に就くことの重さを改めて確認できたわけです。
 そして2012年の衆議院選によって政権交代となり、現在の安倍政権となりました。安倍政権は、約7年という憲政史上最も長い政権となっているところであり、これまでの国会軽視や国民軽視の国会運営はもちろん、直近の「桜を見る会」の問題への対応を含め、長期政権の緩み、歪みといっても過言ではない対応に歯がゆく思っている人も多いのではないでしょうか。
 連合は、政権交代可能な二大政党的政治体制の確立を目指しています。現在のバラバラな状況を早期に解消し、二大政党的体制に向けて、そして政権交代に向けて、連合千葉も応援団としての一翼を担っていきたいと考えます。

 もう1点これからの運動の展開について述べさせていただきます。連合は、結成時から、全ての働く人を対象とした運動を進めてきていますが、私自身の感覚では、結成10年を経て、21世紀ビジョンの策定、とりわけ連合評価委員会の報告・指摘によって、地協改革や労働相談体制の強化など、未組織の人達により重点をおいた取り組みに変化してきたと受け止めています。
 そしてこの結成30年を機に連合本部は、「働くことを軸とする安心社会 まもる・つなぐ・創り出す」をメッセージとする「連合2035ビジョン」を策定し、取り組みスタンスを重点項目と推進項目に切り分けるなどしながら、メリハリをつけた活動の展開をスタートさせました。
 連合千葉としても、基本的にはこうした連合本部の方針に基づき取り組みを進めつつ、一方では、連合千葉独自の検討機関として、前期より「組織財政検討委員会」を立ち上げ、これまでの活動の棚卸をし、人・もの・金という組織の財産を有効に活用することにより、これからの時代により相応しい運動を構築していこうと検討してきています。この趣旨は、連合千葉として、結成当初から今日まで行っている活動もあれば、結成以降、運動の幅の広がりに伴う活動も都度追加されてきています。そしてこれら全体を見たときに、形骸化した活動、あるいは時代変化とともに適さなくなってきているものがあるのではないか、と感じているからです。
 まだ検討過程ですが、組織合意が図られたものから順次実行に移していきたいと考えていることについて、先輩方を含めてご理解をいただきたいと思います。中でも大きな課題として感じていることは人材育成です。労働運動は、人が財産であるわけであり、産別・単組での専従役員の減少や組合教育予算の削減等に伴う人材育成がしにくい状況にある中で、連合運動はもちろん、産別・単組にとっても次代を担う役員の育成は喫緊の課題であり、連合千葉として、こうした観点から人材育成の取り組みを30周年における一つの事業として実施していこうと考えている点について報告申し上げておきたいと思います。
 最後に、我々連合・働く者・生活者を取り巻く環境は日々変化しています。春季生活闘争をはじめとする労働条件の向上、政策実現活動の強化と政治活動、集団的労使関係の強化に資する組織拡大、男女平等参画等々、課題は山積していますが、30年を新たなスタートとして連合千葉の運動をさらに前進させていくことを現役の役員を代表して決意として申し上げ、そして皆さん方の変わらぬご支援、叱咤激励をお願い申し上げ、主催者を代表しての挨拶とさせていただきます。

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