連合千葉

資料

会長挨拶・談話

2020/01/08 連合千葉2020新春の集い 会長挨拶

 今年は例年にも増して穏やかな年明けとなり、皆様方におかれては家族おそろいで健やかな新年を迎えられたこととお喜び申し上げます。昨年中は、連合千葉の諸活動に対し、構成組織・地域協議会をはじめ、関係団体の皆さまにご理解・ご協力をいただいたことに厚く御礼を申し上げます。また、本年度もご来賓として関係各方面から出席いただいています。後ほどそれぞれご挨拶をいただくこととなりますが、千葉県より吉野商工労働部長、千葉労働局からは友藤労働局長、千葉県経営者協会小島会長、千葉市から熊谷市長、政党関係では生方立憲民主党県連代表、谷田川国民民主党県連副代表、小宮社民党県連合代表にご出席いただいています。その他にも会場内には、各級議員、福祉団体の皆様を始め、各方面から多くのご来賓の皆様にご出席いただき、心から感謝を申し上げます。

  さて、昨年も様々な出来事がありました。特徴的な点について振り返りつつ、今年の課題といった点を述べさせていただきたいと思います。

 1点目は自然災害への対応という点です。昨年の9月、10月に千葉県は3つの大きな台風に襲われ、甚大な被害が発生したところであり、未だ不自由な生活を強いられている人も多くいます。改めてお見舞いを申し上げるとともに、1日でも早く元の生活に戻ることをお祈り申し上げます。今年はこうした災害が起きないことを強く願う次第ですが、ここ数年の全国の至る所で自然災害が発生している状況に鑑みれば、こうしたことへの備えや対応については必然的になってきていると言えます。
 防災の考え方としては、「自助・共助・公助」といういわゆる三助が基本となりますが、この三助に対して、我々連合や労働組合といった視点から申し上げさせていただきます。自助は自ら取り組むというものですが、労働組合として、備えに対する知識や被災した場合の対応等々、福祉団体と連携をしながらその教育やPRを強化していくことが必要と感じています。2つ目の共助は、みんなで協力して取り組むものであり、災害が発生した場合には、助け合いが原点である労働組合として(連合として)、そのマンパワーの発揮が求められることになります。そのためには、ボランティアチームをはじめとした連合千葉としての体制整備はもちろん、各地協を中心とした地域単位での体制整備も重要であり、各自治体や社会福祉協議会等との日頃の連携強化を含めて災害対応の体制整備をお願いしたいと思います。3つ目の公助は公的機関が取り組むものですが、連合の果たすべき役割としては、昨年の災害を受けて、防災の強化といった視点で、不足しているものやさらに臨むべきもの等々、生活者の立場から各行政へ申し入れをしていくことが求められていると考えます。そうした点での各地協の取り組みをお願いしたいと思います。
 いずれにしても防災への取り組みは、待ったなしの状況との認識に立ち、それぞれの立場でご努力をいただくようお願い申し上げます。

 2点目は政治についてです。昨年は統一地方選と参議院選が同じ年に行われる12年に1度の年でした。候補者全員の当選を果たすことはできませんでしたが、一定の成果を上げることができたと受け止めています。改めてそれぞれの立場でのご理解・ご協力に感謝を申し上げます。
 昨年の一連の選挙活動において課題として浮き彫りになったことは、投票率の低下です。政治への関心度合いが低下していることが主因とされていますが、その根本には、投票しても何も変わらないといったあきらめにも似た感覚があるのではないかと感じています。
 とりわけ国政についてはその感が強くなっていると感じます。安部政権は、7年を経過し、憲政史上最も長い政権となったわけですが、森友・加計学園問題から始まり、直近での桜を見る会の問題、IRをめぐる汚職問題等々、長期政権のおごり・緩みが出てきているといわざるを得ません。こうした状況にも関わらず、政権支持率は大きく落ち込んでいないことは、まさにあきらめに近い感情がそうしているのではないかと想定します。
 政治は自分たちの生活に直結する重要な内容であることはもちろん、投票しても何も変わらないのではなく、「投票しなければ何も変わらない」「政治を変えるために投票する」そんな訴えを幅広く、地道に、愚直に行っていくことが重要であり、そうした観点での取り組みを構成組織、地域協議会を併せ、連合千葉が一体となって行っていきたいと考えています。
 そしてそのためには、政治を変える体制を構築していくことが前提です。連合は、政権交代可能な二大政党的政治体制の確立を目指しています。昨年の臨時国会での共同会派、その後政党の合流の動向は、我々が求める姿ですが、民主党政権時に指摘されたガバナンスの問題をはじめとしてバラバラ感が見えるようであれば、国民の理解は得にくいものとなる可能性もあると考えます。しっかりとした議論のもとで、多くの国民に共感を得るような取り組みとなるようお願いすると同時に期待をしたいです。
 いずれにしても次の国政選挙は衆議院選であり、各政党には小選挙区で勝つための体制整備を強くお願いしたいと思います。我々連合千葉としても、各政党の動向をしっかりと把握しつつ、働く者、生活する者のための政治の確立に向けて、組織内の理解活動を含めて取り組みを進めていく所存です。

 3つ目は、集団的労使関係の構築という点です。昨年連合本部ならびに連合千葉は結成30年を迎えました。連合運動は、働く者すべてを対象とした運動を展開してきているところですが、結果としてみれば、労働組合組織率も17%を割り込む状況となっていることを含め、大きな成果として現れているかとの疑問符がつくと感じています。
 ここ数年の動向を見ても、例えば、春季生活闘争においては、組織内の賃上げほど未組織の人の賃金は上がっていないといったことや、働き方改革についても、労働者代表制の問題をはじめとして働く者の立場での改革が全体に広がっているか、といった疑問も残るところです。その根幹には、働く者の弱い立場が常にあるわけであり、集団的労使関係の構築、すなわち労働組合の必要性が広く社会に認識されなければならないと改めて感じています。
 春季生活闘争における労働条件改善、働き方改革によるワークライフバランス、税や社会保障問題をはじめとした政策制度改善、男女平等参画、ハラスメント防止等々、労働組合による取り組みが、活き活きと働くことにつながり、ひいては企業の発展にも寄与するといったことを、働く人はもちろん、より広く社会にアピールし、労働組合の必要性・重要性の理解を深めていくことが重要だと言えます。
 その下での集団的労使関係の構築・拡大につなげるべく、こうした活動を地域協議会と連携のもと強化していきたいと考えます。それぞれの持ち場・立場でのご理解とご協力を強くお願いいたします。

 結びに、年明けからイランとアメリカの対立の問題、イギリスのEU離脱問題をはじめ、アメリカ・中国の貿易戦争、北朝鮮の動向、日韓関係等々、取り巻く環境は複雑化してきています。また、今年は東京オリンピック・パラリンピックの開催もあります。これらのことが我々にどのような影響があるのかを含め先行き不透明感が強まっています。
 一方で、今年は子年・ネズミ年です。十二支のはじめであり、新たな始まりという意味があるとのこと。昨年の結成30年を大きな契機として新たなスタートという気概を持って取り組むにふさわしい年だと感じています。課題も山積していますが、状況認識を着実に行いつつ、課題解決に向けて連合千葉・構成組織・地域協議会が一丸となって取り組みを進めていくことを決意として申し上げ、そして今年が各構成組織、関係団体、本日ご参集の皆様にとって、実り多き1年となることを祈念し挨拶といたします。

  連合千葉(日本労働組合総連合会 千葉県連合会) 〒260-0013 千葉県千葉市中央区中央4丁目13番10号 千葉県教育会館 新館6階 TEL:043-201-2022 FAX:043-201-2023