連合千葉

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会長挨拶・談話

2020/04/29 第91回千葉県中央メーデー 実行委員長挨拶

 連合千葉構成組織並びに各地域協議会の組合員・ご家族の皆様、そして働く仲間の皆様、おはようございます。連合千葉で会長を仰せつかっております小谷でございます。
 第91回千葉県中央メーデーにあたり、メーデー実行委員会を代表してご挨拶申し上げます。まずは常日頃の連合千葉の諸活動に対するご理解・ご協力にこの場をお借りしまして厚く御礼申し上げます。
本年の第91回千葉県中央メーデーにつきましては、新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から、各地域メーデーを含めて、式典・祭典、各イベントの開催を見送ることといたしましたが、メーデーの意義は変わるものではありません。今回、初めての試みとして、WEB配信による社会に向けたメッセージを発信することにより、改めて労働者の祭典というメーデーの意義を皆さんと認識しあいたいと思います。今年は、家族を含めた楽しむ場の設定はできませんが、まずはこの点のご理解をお願い申し上げます。

 さて、今年は、わが国のメーデーが労働団体の主催よる開催がされてちょうど100年という記念すべき年にあたります。日本の第1回のメーデーは、1920年5月2日に上野公園で開催され、約1万人の労働者が「8時間労働制の実施」や「失業の防止」「最低賃金法の制定」などを訴えたとされています。
100年の時を経て時代状況は大きく変化してきていますが、「長時間労働の是正」「雇用と生活の安定」「最低賃金の引上げ」といった100年前の先達の思いを引き継ぎ進化させてきています。今後においても、全ての働く者の労働条件の向上、そして社会的地位を高める活動をしていかなければなりません。

 そのための方策の一つが政策制度改善と政治活動であります。
連合は、働く人のための政策実現に向けて結成されたといっても過言ではありません。税制や年金・医療・介護といった社会保障、雇用や経済政策、教育問題、防犯・防災・減災等々、働く者・生活者の立場から、連合本部、地方連合、地域協議会とそれぞれの立場に応じて、各自治体に政策改善の要請を行っています。
とりわけ今回の新型コロナウイルスの問題に関しては、連合本部は都度各関係先に申し入れを行ってきています。連合千葉としても、3月6、9日には、学校の休校に関連して、千葉県知事や千葉労働局、教育委員会等に対して、教職員の問題をはじめ、父兄への影響と対応、そして休校に伴う働くことへの影響等に鑑み、その対応策について申し入れを行ってきています。
 その後、一層の感染拡大により緊急事態宣言が発動されました。当初はこの千葉県を含む7都県でしたが、4月16日には全国への適用となったわけであります。生活者としての立場からは、まずは感染拡大の防止のための努力をすることが求められています。うがい・手洗いを小まめにすることはもちろん、密閉・密室・密接といういわゆる「3つの密」を避けること、不要不急の外出を控えること等々、決して他人事と思わずに実践することが重要と考えます。そして連合としての役割は、そのことを組合員・家族はもちろん、広く社会に訴えていくことだと思っています。

 一方で、こうした我が国の危機的状況の中では、改めて政治の舵取りの重要性を認識しているところでもあります。学校休校の要請がされて以降、今日までの間、各方面で様々な形で大きな影響が出てきていることが報道されています。とりわけ労働組合の立場からは、働く機会の減少による収入減、場合によっては雇用そのものまで影響を来すこと等、働く人への深刻な影響が生じることとなっています。
 こうした雇用や生活、経済・社会に至るまで未曽有の危機的状況の中では、自らの努力だけでは限界があり、だからこそより政治による判断・決断が強く求められていると感じています。影響が広範囲に及ぶが故に全てに満足いく施策は難しいと思いつつも、すでにその日の生活が脅かされている人がいる現状を踏まえるならば、如何にしてスピード感を持って対応していくかが問われているものと考えています。連合千葉としても、連合本部や各推薦議員とも連携をしながら、実態に適応した対応を求めていくべく取り組みを進めていきたいと考えております。
 いずれにしても、この新型コロナウイルスの問題は、先行きが見通せない中でありますが、時々の状況を的確に把握しながら、従来の形態にとらわれることなく、連合としての社会的役割を果たしていきたいと考えております。

 次に、全ての働く人の処遇条件や社会的地位の向上に向けた活動のもう一つの柱が春季生活闘争であります。
 2014年の春季生活闘争以降、賃上げを実現してきていますが、全ての働く人への拡がりといった点では今一歩の感は拭えない結果となっています。2020春季生活闘争では、わが国経済を自立的成長、社会の持続性を実現するため、そして全ての働く人への波及をさせていくために、分配構造の転換を図りうる月例賃金の引上げに取り組んできています。これまでの結果では、それぞれの産業・企業が厳しい環境に晒されながらも、懸命な労使交渉の末に、企業内最低賃金の引き上げを含めて一定の回答を引き出してきています。とりわけ中小の取り組みは、大手と同等の回答を引き出してきているところであり、連合本部は、その頑張りを評価するとともに、ここ数年の賃上げの流れを引き継いだものと受け止めています。

 春季生活闘争のもう一つの強調すべき点は働き方改革です。昨年4月より残業時間の罰則付き上限規制、年5日間の年次有給休暇取得の義務化、勤務間インターバルの努力義務等々の法制が大企業に施行され、今年4月から中小企業にも適用されています。この働き方改革の根幹は「長時間労働の是正」にあります。これまでの様々な機会の中で、中小企業の経営者の皆様からは、「残業が前提の勤務形態になっている」「残業なくして企業はやっていけない」「働き方改革への新たな投資はできない」等々の言葉をよく聞きました。
 今、新型コロナウイルス感染拡大防止の目的で、密接や密集を避けるために、テレワークや時差出勤等、それぞれの企業において様々な工夫がされています。見方を変えれば、このコロナウイルスの問題が落ち着いた段階では、これらの結果が働き方改革の方策にもつなげることができるのではないかとも考えます。テレワークなどもこれまで「この仕事には導入できない」の一言で済まされていたものが、やむを得ない事情ではありつつも、実行してきているという実績のもとに、その問題や課題をクリアしていくことができるのではないかと思います。ピンチをチャンスにではありませんが、今回の出来事を次に活かす、そのことで働き方改革につなげていくような取り組みを期待したいと思います。同時に我々連合としても、今回の成功例等を広く開示していくことで、社会全体の働き方改革を実現していく、そんな活動を展開していきたいと考えています。

 3点目に「助け合い・相互扶助」という点について触れさせていただきます。東日本大震災から9年、熊本県を中心とする九州地震から4年が経過し、昨年はこの千葉県も台風の被害を受けたところであり、それぞれに、今なお多くの人々が不自由な生活を余儀なくされています。そして今日のコロナウイルスによる影響により生活を脅かされている人が多くいます。
 我々の労働運動の原点である「助け合い・相互扶助」の観点からも、災害を風化させないことと併せて、働く人・生活する人の苦難に対して、全国の働く仲間や各福祉団体と連携を図りながら、その支援という活動を強化していかなければなりません。そうした点について、皆さん方と改めて認識し合いたいと思います。

 その他にも、様々な課題や広くアピールすべき項目はありますが、時間の関係上割愛することをご容赦願います。
 最後に、「働くことを軸とする安心社会の実現」に向けて、連合千葉・構成組織・地域協議会、そして職場・家族が一丸となって取り組んでいくこと、そして皆様の一層のご理解とご協力をお願い申し上げ実行委員会を代表しての挨拶といたします。

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