連合千葉

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会長挨拶・談話

2020/10/27 連合千葉 第25回地方委員会 会長挨拶
 

 県内各地より第25回地方委員会への参加に感謝し、連合千葉役員を代表して挨拶を申し上げます。まずは常日頃より連合千葉の諸活動に対する皆さまのご理解・ご協力に厚く御礼を申し上げます。
 本地方委員会は、新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から、来賓や傍聴者などの来場をご遠慮いただくとともに、執行委員も別室での参加であり、また、会場もソーシャルディスタンスにより極力スペースを確保しています。さらに時間もできる限り短縮した運営を心掛けるとしており、従来とは違った雰囲気での地方委員会ですが、主催者としてできる限りの対策を講じた上での開催であることを御理解願います。

 さて、連合千葉第16期体制も折り返し地点を迎えました。前半年度を振り返りながら我々が取り組むべき課題といった点を述べさせていただきます。
 まず新型コロナウイルス関連についてです。
 今期前半年度は、新型コロナの関係で、経済・社会、そして我々働く人や連合運動も大きな影響を受けました。人が動かないということが、これだけ経済・社会に大きな影響を及ぼすこと、さらには自らの努力では対応できない場合の行政・政治の重要性を改めて強く感じました。
 そして、働く者の立場からは、医療・介護に従事する人、生活品をはじめとする販売員や物流関係者など、生活インフラを支える多くの人達は、感染の恐怖・不安と闘いながら、懸命に尽くしてくれており、敬意と感謝を申し上げます。こうしたエッセンシャルワーカーといわれる人たちの処遇は、相対的に低水準といわれており、その苦労に見合った処遇の引き上げは大きな課題と認識しています。
 一方で、パート・アルバイト・派遣社員といった、いわゆる非正規雇用で働いている人は、雇用や生活に直接影響を受けました。解雇や雇止め、自宅待機等々、収入の減少、あるいは収入がなくなるといった生活費もままならない人が多く発生するなど、社会問題となりました。働く人の中でも、特に弱い立場の人へのしわ寄せがいくことを痛感させられたところであり、同時に雇用のセフティネットの脆弱さが明らかになったと言えます。連合本部を主体として雇用のセフティネットの整備を進めること、併せて我々連合千葉としても働く者・生活者を守るといった観点から、集団的労使関係の構築と拡大、すなわち労働組合の結成をより強力に進めていかなければならないと感じています。この点の認識の共有化を図っておきたいと思います。
 そして新型コロナに関連する連合運動についても触れておきたいと思います。前半年度は、新型コロナ感染拡大防止の観点から、2020春季生活闘争総決起集会の中止や第91回メーデーのWeb開催、あるいは各種会議の持ち回り開催や中止等々、運動を進めるうえで、大きな制約が伴いました。やむを得ない対応と受け止めるものの、こうした状況が続くことや新たな生活様式への移行といったことを勘案すれば、こうした環境下での具体的な対応を検討していかなければ、連合運動、組合活動の後退につながりかねないと極めて強い危機感を覚えています。従来の取り組みに制約が生じるのならば、単に中止という結論ではなく、改めてその活動・行動の目的に照らし合わせ、今の環境下での手段が求められます。我々連合千葉事務局もそうした視点で様々なことを検討していく所存ですが、それぞれの構成組織・地協においても、同様の視点での検討・実践をお願いしたいと思います。

 2点目は働き方改革についてです。一昨年の通常国会における働き方改革関連法が成立して以降、順次法が施行されており、今年の4月から雇用形態に関わらない公正な待遇、いわゆる同一労働同一賃金が施行されました。これら一連の法施行に対して、長時間労働の是正をはじめ、その趣旨を活かすために労働組合としてのチェック機能を的確に発揮していかなければなりません。
 一方で、今回の新型コロナの影響により、テレワークという働き方が注目されました。新型コロナの感染拡大防止の観点から、外出自粛というやむを得ない事由であったとはいえ、これまで導入に否定的だった企業も実施してきた経過をもとに、新たな生活様式を実践していくことや、政府のデジタル化推進姿勢等からは、今後、一層導入に向けた動きが加速していくと想定されます。
 連合が6月に行ったテレワークに関する調査結果においては、半数以上が「通常勤務より長時間労働になった」と回答しており、また「労働時間管理をしていない」「時間外・休日労働が認められない」などの問題点も指摘されています。その一方で、8割以上の人がテレワークの継続を希望しており、その理由としては、「通勤がないため時間を有効に利用できる」「自由な服装で仕事ができる」などがあげられています。
 いずれにしても、仮にテレワークを導入するのであれば、その実施の目的を明確にしたうえで、勤務時間をはじめとする労働諸条件、対象者・対象職場、費用負担等々の明確なルール策定が必須であり、しっかりとした労使協議が求められます。そのうえで、好事例を広く社会に訴えていくことで、働く人だけの負担度合いが増すようなことを避ける体制にしていかなければなりません。この点の認識の共有化も図っておきたいと思います。

 3点目は政治についてです。9月に安倍総理の辞任があり、菅新内閣が発足しました。新政権には、ご祝儀相場もあると思いますが、高い支持率を得ています。昨日、臨時国会が開会され、菅総理の所信表明がされましたが、その基本は安倍政権の継続と明言しています。これまでの「森・加計・さくら」をはじめとした都合の悪いことに蓋をするような政治、国民不在の政治、民主主義をないがしろにするような政治の継続と受け止めざるを得ません。新内閣には、国民目線での政治を強く求めたいです。
 一方で、野党の動きは、旧立憲民主党・国民民主党が解党し、合流新党として新たな立憲民主党が結成されました。地方議員を含めて全ての合流とはならなかったものの、連合は、政権交代可能な2大政党的政治を求めてきたところであり、大きな塊として結集されたことは、強く歓迎するところです。引き続き、中央・地方において真の意味での1つの大きな塊となるよう、その努力を新立憲民主党に求めていきたいと思います。
 次の国政選挙は衆議院議員選挙となります。その選挙を前に、皆さんと共有しておきたい点として、1つには新たな立憲民主党に対するイメージです。マスコミの報道を含めて今回の新立憲民主党の結成は、旧立憲民主党に旧国民民主党が吸収されたかのようなイメージがもたれています。個人的見解ですが、そのことが旧立憲民主党に対するアレルギー的なものを持っている人たちの印象をより強くし、これらが合流への障壁となったり、支持率に対する悪影響を与えたりしているのではないかと感じています。
 連合本部は、今回の合流に際して、旧両党が解党という決断をしたことを重く受け止めると同時に、基本理念をはじめとする綱領を新たに制定するなど、全くの新しい政党としてスタートしたことをもって、連合総体として支援をしていく姿勢を明確にしています。あくまでも旧の両党が解党をして、新たな政党として結成されたという点について、改めて皆さんと認識の共有を図ると共に、同時に組合員・家族へもそうした視点での理解活動をお願いします。
 もう1点は、選挙への準備という点です。連合千葉の国政選挙の総括、とりわけ衆議院選挙後の総括においては、毎回のように「準備不足」という点が指摘されます。衆議院選挙は、解散のタイミングが明確になっていない、いわば急遽選挙モードに切り替えるといった対応となるため、やむを得ないものではあるが、短期間での対応が求められます。これは労働組合の弱点ともいえることですが、それぞれの構成組織での推薦をはじめとした手続き、組合員・家族への浸透活動といったことを考えると、最低限2か月程度は必要となります。これまでの選挙は、解散から投票まで1か月程度であるため、浸透活動の徹底が不足してしまうという反省でした。今次の衆議院選のタイミングは定かではありませんが、それだけにいつ選挙モードに突入しても対応できる、そのような体制を作っておかなければなりません。
 新たな立憲民主党の県連に対しては、その旨を伝えており、我々連合千葉としても、政治センター、各地域協議会と連携を図りながら、体制整備に努めていきます。構成組織においても、産別本部、単組・支部等々と連携を密にしながら対応を図るようお願いします。

 その他にも、連合として、労働組合として、様々な課題が山積しているますが、時間の関係上、活動方針の討論に委ね、この場では控えされていただくことをご容赦ください。
 最後に、本日の議案に対する積極的な参画、そして引き続き各構成組織、地域協議会の連合千葉へのご支援・ご協力をお願いし、挨拶とさせていただきます。

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