連合千葉

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会長挨拶・談話

2022/04/29 第93回千葉県中央メーデー 実行委員長挨拶

 連合千葉構成組織並びに各地域協議会の組合員・ご家族の皆様、そして全ての働く仲間のみなさま、おはようございます。第93回千葉県中央メーデー実行委員長を仰せつかっております、連合千葉の永富です。
まずもって、本日は、大変ご多忙の中、日頃より連合運動にご理解をいただいております、行政より千葉県知事 熊谷俊人さま、政党より立憲民主党、国民民主党県連代表、関係福祉団体のみなさま、連合千葉推薦議員で構成する連合千葉議員団会議会長、千葉県退職者連合よりご参加をいただきました。この場をお借りし、感謝申し上げます。後ほど、ご紹介と連帯のメッセージを賜りたいと存じますので、よろしくお願いいたします。

 メーデーの詳細な起源につきましては、この場では割愛いたしますが、毎年迎えるこのメーデーが、働く者の権利とともに、日々、当たり前のように働く者が、その意義や価値を今一度考える、このような契機にもなれば、と考えております。

 第93回千葉県中央メーデーの開催にあたり、私たち働く者を取り巻く環境、連合の取り組み等について、ご紹介し、主催者を代表しての挨拶に代えたいと思います。

 まず冒頭に、ロシアによるウクライナ進攻について触れておきたいと思います。
 連日、報道でも大きく取り上げられていますので、詳細は割愛いたしますが、いかなる理由があろうとも、弱い立場、何の落ち度も無い一般人の多くの尊い人命が奪われている、このような悲惨な事態は決して許されるものではありません。連合も、ロシアに対し厳しく抗議する声明を発信するとともに、人道支援に資するカンパ等、組織として対応することとしております。一日も早い終戦を望みます。

 また、新型コロナウイルス感染症についてですが、コロナ禍が2年以上続き、先月には、全国的にまん延防止等重点措置が解除されましたが、感染状況をみれば、減少傾向にはありつつ、下げ止まり傾向にもあると言え、予断を許さない状況が続いていると言えます。

 至近では、ガソリンなどの諸外国からの輸入に頼っている原材料の物価の上昇、急激な円安傾向などにより、これからさらに国民生活に影響が出てくる事が想定されます。

 このように、私たち働く者、生活者を取り巻く情勢は、不安定な国際情勢、世界を一変させた新型コロナウイルスによって、大きな影響を受けています。

 コロナ対応については、後ほど熊谷知事からも触れられるかもしれませんが、千葉県では、疲弊した経済、とりわけ人流抑制により相当な影響を受けた業種や、子供たちの貴重な機会である学びの場において、感染防止対策を施しながらも、これまでの経験を知見として活かし、様々な制限を緩和する発信がされています。 
 このことは、連合千葉としても歓迎するものですが、一方で、このコロナによって、職を失ったり、給与の減額を余儀なくされた方、不安定な状況で雇用されている方も多く、現実的には急速な回復は難しいと考えられます。これまでとは一変した生活の変容が長く続いてきた事や、コロナで露呈されたセーフティーネットの不備、さらには至近の物価上昇などを鑑みれば、喫緊として経済的な支援、就労支援などの引き続きの対応が必要であると考えています。
 報道では、政府による緊急の経済対策が取り纏められるとされていますが、真に困っている方々へ効果があるのか、注視していく必要があると考えています。

 働き方についても触れておきたいと思います。働き方改革関連法が公布されてから4年が経過しようとしています。罰則を伴う「時間外労働の上限規制」の適用などにより、ようやく当たり前の働き方に向けた前進が図られてきましたが、コロナ禍を契機に急速に普及したテレワークなど、あたらしい生活様式、働き方により、これまでと違った課題や、人と接する機会が減少したことによる、目に見えにくい課題等も伺っているところです。

 また、DXやカーボンニュートラルの進展などに代表される産業構造の変化により、私たちの働き方も大きな変革の過程にあります。くわえて、人口減少・少子高齢化社会の到来により、生産年齢人口も減少していきます。深刻な人手不足に陥っている企業、生産性の向上施策を進展している企業等、業種により様々ですが、どのような業種・業態においても、必ずそこに働く方は存在します。また、働くことで働きに見合った賃金を得て、消費に回していく、そのような社会構造が、疲弊した日本社会の転機には今こそ必要です。

 連合では2022年の春季生活闘争において、日本全体の回復の契機として、今こそ経済・社会の活力の原動力となる「人への投資」を起点とした経済の自律的成長が今こそ必要であるという認識に立ち「未来づくり春闘」をスローガンに掲げました。現時点ですが、賃金改善分を獲得した組合は、妥結したうちの約半数という高い水準となっており、業種・業態によって濃淡もありますが、「人への投資」「働きの価値に見合った賃金水準」を意識して労使交渉を行ってきた成果により、賃上げの流れは引き継がれています。

 また、連合は、すべての運動にジェンダー平等、真の多様性の推進を重点的に取り入れています。これは、これまでの長きに渡る日本社会の仕組み、言い換えれば働く者に目を向けられてこなかった事により、広がってしまった格差の是正も目的にあります。
 いくつかの状況や取組みについてご報告いたしましたが、このことは、私たち働く者だけではなく、日本社会全体の共通課題でもあります。社会インフラとも言える「働く」ということ、また「働く価値」ということを、このメーデーを契機に今一度考えていくきっかけになればと考えております。

 もう一つ、労働組合、連合について触れたいと思います。

 今月に連合が公表した連合登録人員は、704万2003人です。昨年と比較すると若干増加しました。特徴的には、一般組合員および週20時間以上で働く組合員は減少、週20時間未満で働く組合員が増加し、トータルでは微増ということになっています。
 このことは、コロナ禍で労働組合の活動が様々に制約を受けてきた中でも、労働組合に加入する必要性を訴えてきた、各構成組織の取り組みの成果でもありますが、一方、労働組合に入っている推定組織率は前年より減少し、17%を割っています。つまり働いている10人のうち8人は労働組合に入っていない、という事です。

 コロナ禍によって、大きな課題となっているのは、労働組合に加盟していない多くの方々、法や社会のセーフティーネットの外にいる立場の弱い方々が厳しい状況に置かれてしまっているということです。

 連合は、組織拡大に積極的に取り組むことで、集団的労使関係の輪を広げることを、運動の重点分野として位置付けています。
 労働組合に入ることにより、働く者が守られているということです。また、私たち連合、労働組合には、職場や働く者を取り巻く課題に対し、働く者を代表しているという自負と社会からの共感のもと、行政や企業等へのアプローチにより、課題の芽を摘み取るといった社会的な責任も担っています。

 是非ともこのことを知っていただきたいと思いますし、このメーデーにおいても、そのことを認識していただく意義があることもお伝えしておきたいと思います。

 最後に、政治について触れておきたいと思います。昨年は衆議院議員選挙が執行されました。国政選挙以外にも、県内では、今日まで多くの自治体の首長選挙、議会議員選挙が執行されてきました。
 私たち連合は、結成時から「政府、政党、企業などから独立した自主的組織として主体性を堅持する組織として、自らの「力と政策」を強化し、目的と政策、要求を同じくする政党、団体と協力して、完全雇用、物価安定、総合生活の改善・向上をはかり、活力ある福祉社会を実現する」と定めています。
 時代時代での社会の変化により、求められる政策は変われど、連合が政治に係わる姿勢は、結成時から変わっておりません。
 連合は、連合の政策を理解し推進するために汗をかいてくれる政党や議員との連携により、私たちの政策実現に向け、政治活動に取り組んでいく、このことをお伝えしておきたいと思います。
 今年の7月には参議院議員選挙が執行されます。連合は、全国比例区に9名の組織内候補、くわえて、本日もお越しになっていますが、連合千葉では千葉県選挙区に2名の候補予定者を推薦いたしました。
 私たちの政策を理解する政治勢力の拡大に向け、全国比例区に構成組織から擁立した組織内候補9名と千葉県選挙区で推薦した2名を国政に送るための運動を展開いたします。
そのことにつきましてもご理解をいただきたいと思います。

 結びになりますが、今年の千葉県中央メーデーも、残念ながらWebを主体とした開催形態となりました。
 メーデーは「労働者の祭典」であります。働く者はもとより、ご家族のみなさま、さらには労働組合に加入していない方々まで広がる、集合型のメーデーを、来年こそは開催したい、という思いを持っています。
 本日結集された、構成組織・地域協議会、ご来賓のみなさま、そしてすべての働く仲間のみなさまとともに、「働くことを軸とする安心社会の実現」に向けて、一層のご理解とご協力をお願い申し上げ主催者を代表しての挨拶といたします。

以 上

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